自由とホームレス
サンフランシスコにはホームレスが多い。
ホームレスが集まってしまうから公衆トイレも閉鎖したようだけど、その結果道で用を足す人が増えて、悪臭が立ち込める箇所もかなりあります。
僕も到着初日に電車から降りてテクテクのテクぐらい歩いたら、いきなりホームレス地区に迷い込んでしまって、大変な悪臭のなか道端で屯するホームレスやヤク中のなかを縫って、なんとかその場を抜け出しました。
あひゃ〜、ヤベえなこの街は。
サンフランシスコといえば、お金持ちが住んでいて綺麗で治安がいい街というイメージだったけど、それはこの街の一部であって他の側面もあるということを知りました。
アメリカは自由の国だと昔からよく言います。自由を感じる時に何より幸せを感じる僕としては、自由の国はとても自分に合っている国なんじゃないかと思っていました。しかし自由であるということは、大きなリスクをはらんでいるということを実感しました。自由であるということは、外部環境があなたに自由以外の何かを保証してくれる訳ではありません。もしあなたに人間として最低限度の生活を営む能力がなければ、あなたはそれを手に入れられませんし、あなたはそれを誰かのせいにすることも出来ないのです。
日本は、おそらくそういったリスクを軽減することに最も成功した国の一つなのでしょう。その分、自由の度合いは削減されますが、客観的に目に見えるかたちでの不幸も削減できているのではないかと思います。
自由は大きなリスクをはらんでいます。その環境のなかでは、自分の望む方向に進むことも可能ですが、自分を律することが出来なければ自分の望まない方向に坂道を転がり落ちることも容易なのです。日本では坂道を転がり始めたらかなり早い段階で制度上はセーフティネットに引っかかるようになっています。しかし、自由の国ではそんなネットなど存在せず、自分でなんとかするしかないのです。