けっして親や友達や恋人(いないけど)には見られたくないブログ(略称)

(日々の体験やその中から感じたことを文章にして、面白おかしくみなさんに読んでもらいたいという崇高な精神で始めたわけでは決してなく、ただ単にいつか周り回ってお金にならないかなぁというよこしまな気持ち100%で始めた)けっして親や友達や恋人(いないけど)には見られたくないブログ(正称)

文化浴泉

 

 渋谷の隣駅、池尻大橋から徒歩5分足らずの場所に、なんとも大正ロマンを感じさせる浴場がひっそりとたたずんでおります。その名を文化浴泉といい、銭湯、サウナ好き界隈ではかなり人気な浴場だ。混んでいる時は10分20分と待たなくては入れないし、サウナはいつも満室で、男子浴場ではよくサウナの列をなしている。裸の行列ってなんか変な感じですよね。

 しかもこの文化浴泉、他の浴場とは趣を異にしている。銭湯、サウナというと、ご高齢の方々が行くところ、といったイメージがあるが、文化浴泉に来る客層は、若者6割、中高年3割、お年寄り限りなく0割に近い1割で、若者に人気だ。それもなんだか、ちょっと変わった人たちが多い。男だと、というか僕が男だから男の客層しか知らんのだけど、ロン毛だったり、タトゥーが入っていたり(そう。文化浴泉はタトゥーOKみたいなのです。)、なんだか雰囲気のある人たちが多い。ミュージシャンとか、アーティストなのかな、サラリーマンぽくない人が多い印象。

 それはそうと、裸の人を見て、その人の職業を立てるのは至難の技ですね。情報が、髪型と、筋肉と、タトゥーしかないんだもの。浴場にいくと、なんだか、普段の生活では関わることのない人たちを見ることが出来て、なんだか楽しいですよ。それに、浴場では僕たちみんなイーブンな感じがして、その感覚もまたよきものですね。

 

 この文化浴泉の素晴らしさは、なんと言っても雰囲気なのです。どんな雰囲気かって?大正ロマンです!大正ロマンがなんだかって?んー。難しいこと聞きますね〜。大正ロマンは、、、大正ロマンでしょ。と、いっては芸がないので、もっと分かりやすく言い換えると、幕末の開国以来、流入してきた西洋文化と、日本古来の伝統文化が、大正時代に奇遇にも運命の出会いを果たし、逢瀬を重ねるうちに合体したロマン溢れる文化、そう、もっと分かりやすく言い換えると、なんだろう、そうだ!まさに大正ロマンと言えるものです!この完璧な説明に不満がある方は、どうぞ広辞苑へ。

 

 そんな大正ロマン溢れる雰囲気のなかで、過ごす時間というのは、とてもリラックス出来るものなのでございます。浴びるシャワー、浸かる風呂、耐えるサウナ、さらに耐える水風呂と、どれも至極な時間なのです。

 しかし、なぜ疲れを取りに、リラックスするために行ったはずの浴場で、耐えるなんてバカバカしいことをしてしまうのでしょうか。僕もしょっちゅう、なぜかサウナに入ると、絶対〜分は入るぞ、と、謎の目標設定をしてしまい、さらに隣のやつより長く入るぞ、という謎の独り勝負を始めてしまうのです。昔、ジョージアのCMで、「男ですいません」と題した面白いシリーズCMがありましたが、まさにそんな感じで、男ってバカだな〜と思います。しかし、時々、サウナに限界まで入りすぎて、サウナから出るときに、死にそうなぐらいフラフラになって、「す、す、すいません。でます。」とかすれ声で言ってくる人や、フルマラソン走った直後みたいな顔してサウナで耐えている人を見ると、この人たち何しに来てんのwwwと、ひとり笑いがこみ上げてきます。マジ、あれなんなんだろうな。まあ、僕もやってんだけど。

 

 サウナ好きにとって文化浴泉の素晴らしいところは、なんと言っても、サウナの暑さと、水風呂の冷たさですね。特に水風呂の方は、今まで入ったどの水風呂よりも冷たく、結構水風呂が得意な僕でも、最初に入った時は10秒ぐらいしか入れませんでした。冷たいというか、痛いというか。それぐらい冷たいのです。そんな極寒の水風呂に、サウナでじっくりと温めた体で入るとそれはもう本当に気持ちいい。でも冷たい。でも気持ちい。でも冷たいよ〜。でもまだ隣のやつ入ってるし。と、また謎の勝負をおっぱじめるのが男子の性であるのでございますが、そんな感じで水風呂に入っていると、吐く息が白くなってくるのです。そして気道が冷たく感じられてくると、もう上がるのにちょうどいいタイミング。ここで上がらなければ、その後には、体の芯がポカポカしてくる感覚や、頭がグラグラ揺れる感覚や、ボーッとしてくる感覚を味わうことになるのですが、そこまでする必要はありません。頃合いを見計らい、水風呂から上がって浴場の椅子で暫し休憩していると、なんだか頭がほわーんとしてきて、幸せな感覚に包まれます。あ〜気持ちいいな〜と。それは1日の疲れをとるためには最高の休息であるわけです。こういったサウナ、水風呂、休憩を繰り返すことがなんとも気持ちのいい銭湯の過ごし方なのです。

 

 でも注意してください。水風呂から上がり、休憩して気持ちいいな〜と思っているとき、人は大抵、腑抜けの殻みたいな、というか、イッた後みたいな顔になってますから。僕も最初、浴場で体を洗うでもなく、ひげを剃るでもなく、ただぼーっとイスに座っている男性諸君を拝見したとき、この人たち何やってんのwwwという笑いがこみ上げてきて、それを必死に隠すべく、ひとりシャンプーに全神経を集中してました。変な感じだったな〜、あの人たち。お猿さんみたいでした。まあしかし、僕もその気持ち良さを知ってからというもの、同じように浴場の椅子に腰掛け、ダラーんとしていますが、決して顔を見せないように、イスラーム世界の女性がかぶるブルカの如く、タオルを顔にぶら下げています。これで僕のアヘ顔を世間様に晒すことはございません。

 皆さんも是非、池尻付近を通りかかった際には文化浴泉へ。大正ロマンを感じる浴場があなたを別世界へ運んで行ってくれますよ。

 

 

 

 

おしまい